燃える商魂 〜おもひでの駄菓子屋 | 05/02/02 |
オラの住んでいる町は小さい町です。模型店なんて当然無い。唯一プラモデルを買えるお店は小学校の前にある駄菓子屋と文房具屋が混ざった小さい店だった。品揃えが良いのか悪いのかなんて考えもしなかった。なんたってそこが唯一だかんね。 今にして思えば、塗料が一つもおいて無いその店の品揃えがいいはずは無いよね。 でも小学生だったおいもにはガラス越しに見る戦車のプラモデルが光り輝いて見えたね。 だが、その店は一癖、いや、二癖、今にして思えばすごいお店だった。プラモデルの箱の隅っこに値段が書いてあるでしょ?「*1200」とかって。そこが丁寧に油性マジックで塗り潰してあり、その上にお店で貼られた値札シールが貼られていた。 ピーンと来ましたか? そうなんです。そのお店のプラモデルを初めとする様々なおもちゃ類は勝手な「プレミア」が付いていたのです。 \1,200の戦車は\1,500に。\1,500の戦車は\2000に。 それに気づいたのは、それらのプラモデルを買って製作中に壊してしまい 部品請求をした時に同梱されてくる「タ○ヤ製品情報」なる小さいカタログに記載されている値段を見たときに初めて、プラモデルの真の値段を知ったのである。 普通ならそれを知ったら「ちくしょ〜消費者センターに訴えてやる〜」とか思うのかも知れないが、アホなおいもは、子供ながらにそのお店からプラモデルが買えなくなると困ると思い、なんとか定価で買えるように色んな戦術で駄菓子屋に戦いを挑むのである。 私が小学生の頃の小遣いは確か\500〜\1,000くらいだった。昭和63年頃。 欲しいプラモデルが買えるのは2〜3ヶ月貯めて初めて買えるというような状態。 ボッタクリ商法に対抗する手段はいくつか思いついていた。なけなしの小遣いをポケットに入れ、日曜日の朝に戦いを挑む。 店に入り、欲しかった戦車のプラモデルを手に取り、店のジジイが見てないところで定価\1,000に付けられた\1,200のボッタクリ値札を剥がす。「どうだ!思い知ったか。これで値段がわからないだろう。ジジイはボケて定価以下で買えるかも。ワクワク。」店のレジに持っていく。 「う〜ん、いくらだろうな。」案の定、自分で貼った値段がわからなくて困ってやがる。「箱の横に書いてあるんじゃないの?」とおいもがすかさずイヤミな突っ込みを入れるが、箱の横の値段はマジックで塗り潰されている。そこで店のジジイがのたまう。「箱の横に書いてあるのは品番だ。間違えないようにマジックで塗り潰してある。」と。 そうですか、あぁ、そうですか。とポケットからタ○ヤ製品情報を取り出し、ジジイに見せようとするが、それを見たオヤジはすぐに、 「\1,300だな。そうそう、問屋が\1,300だって言ってた。」 というではないか。 しまったぁ!俺が出した製品情報でオヤジを焦らせてしまった結果が\1,300 か!やられたぜ。と反論するのも忘れ、おいもは\1,300で戦車を買って帰りました。 その後、幾度と無くボッタクリは続いたが、おいもは懲りずに買い続けたのであった。 ちなみに店のババァとの攻防もあるのだが、またの機会に。 そんな駄菓子屋は小学校の前でまだ商いを続けている。絶版キットが沢山埋まってるかも知れない。今度行ってみようかな。 |
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